2017年8月5日土曜日

あちこちの方角に投げ捨てられまち散らし鳩色のような白い骨を見てはこの世に何の快があろうか?

 諸のつくられた事物は実に無常である。生じ滅びる性質のものである。それらは生じては滅びるからである。それらの静まるのが、安楽である。何の喜びがあろうか。何の歓びがあろうか? ー 世間はこのように燃え立っているのに。汝らは暗黒に陥っていて、照明を求めようとしない。あちこちの方角に投げ捨てられまち散らされたこの鳩色のような白い骨を見ては、この世に何の快があろうか? 夜の最初のあいだ母胎に入って住みつく人は、安らかにとどまること無く、迷いのうちに遷っていくー去って、もはや還って来ない。朝には多くの人々を見かけるが、夕べには或る人々のすがたが見られない。夕べには多くの人々を見かけるが、朝には或る人々のすがたが見られない。
 「私は若い」と思っていても、死すべきはずの人間は、誰が自分の生命をあてにしていてよいだろうか? 若い人々でも死んで行くのだ。ー男でも女でも、次から次へとー。或る者どもは母胎の仲で滅んでしまう。或る者どもは産婦の家で死んでしまう。また或る者どもは這いまわっているうちに、或る者どもは駆け廻っているうちに死んでしまう。老いた人々も、若い人々も、その中間の人々も、順次に去って行く。ー熟した果実が枝から落ちていくように。熟した果実がいつも落ちるおそれがあるように、生れた人はいつでも死ぬおそれがある。
第1章 無常 (関与のことば)「ブッダの真理のことば、関与のことば」