2017年10月30日月曜日

富と人口の増大は、賃金の充分、不充分にて起る影響ないならば、何処も一般利潤は下落しなければならぬ。

 賃金の騰落は社会のすべての状態に共通であって、それが静止、進歩、後退のいずれかの状態にあるかを問わぬ。静止状態においてはそれは全く人口の増減に依って左右される。進歩状態においては、資本と人口の何れがより早く増大するかに依存する。後退状態においては、人口と資本の何れがより早く減少するかに依存する。
 経験の示す如く資本と人口とは交互に先導し、その結果賃金は充分であったりするのであるから、賃金の関する限りにおいては、利潤については何等積極的に述べるを得ない。
 しかしもっぱら富と人口の増大しつつある社会においては、賃金の充分、不充分によって起る影響を措いて問わないならば、農業の諸改良や、穀物がより低廉な価格で輸入れさることがない限り、何処においても一般利潤は下落しなければならぬことは極めて充分に証明し得るところであろうと余は思うのである。
デビット・リカード「農業保護政策批判 ー 地代論 ー」