2017年10月23日月曜日

金銭の際限なく蓄積せられ得るという事は、外物に対する貧欲に我らを支配する力を与えた。

    理性活動に何よりも内面的な優秀が必要な如く、国家においてもこれが肝要である。外物は共同生活においてすら、唯活動のための手段としてのみ価値を有する、それはかくして定められたる制限を越えてはならぬ。しかし多数者の際限なく富を重ね積もうとする渇求が、その中に困難なる障害を持って来る。こんなものの中に真の幸福を見出そうとする妄想は、金銭が入り来ったため恐ろしく増大してきた。金銭の際限なく蓄積せられ得るという事は、外物に対する貧欲にいやが上にも我らを支配する力を与えた。かくて国家的社会もまたそれに対して強く戦わねばならない。国家が自らに対して、活動の発展に要するよりも以上に、外的手段を得んと努むべきではないと同じく、国家はまた市民の利得の念に程よき自然な制限をおき、そして特に金銭の支配に対して力を用いるを要する。すなわち確かなまた明らかに認め得られる生活標的によって外物に厳に限界を与えることと、社会の幸福と個人のその一致ということである。

ルードルフ・オイケン (アリストテレス) 「七大哲人」