2016年8月17日水曜日

孫子ー能自而全勝也ー専守防衛勝利

 「孫子」 第四 形篇 一

  孫子はいう。昔の戦いに巧みな人は、[まず味方を固めて]だれにもうち勝つことのできない大勢を整えたうえで、敵が[弱点をあらわして]だれでもがうち勝てるような態勢になるのを待った。だれにもうち勝つことのできない態勢を[作るの]は見方のことであるが、だれもが勝てる態勢は敵側のことである。だから、戦いに巧みな人でも、、[見方を固めて]だれにもうち勝つことのできないようにすることはできても、敵が[弱点をあらわして]必ずだれでもが勝てるような態勢にさせることはできない。そこで、「勝利を知らていても、それを必ずなしとげるわけにはいかない。」といわれるのである。だれにもち勝てない態勢とは守備にかかわることである。だれもが打ち勝てる態勢とは攻撃にかかわることである。守備をするのは[戦力が]足りないからで、攻撃をするのは十分の余裕があるからである。守備の上手な人は大地の底にひそみ隠れ、攻撃の上手な人は天界の上の上で行動する。[その態勢をあらわさない。]だから見方を安全にして、しかも完全な勝利をとげることができるのである。